「機能(できること)」と「使い方(ユーザ体験)」について
ここ数日、新しいwebサービスPinterestの話題をいくつかの記事でみた。アメリカ発のサービスで、オンラインピンボードサービスのSNSだそうだ。*1
オンラインピンボードと言われてもにわかにはピンとこないが、上記のページではこう紹介されている。
ごく簡単に言うと、気に入った画像をウェブ上のボードに貼り付けるかたちで投稿し、それを見た他のユーザーからさまざまなコメントが付けられて、その写真画像を通じたコミュニケーションが広がるというスタイルのものだ。
まだなんのことか分からないので以下を見る。こちらは先日Facebookで流れてきた記事で、動画付きで大変分かりやすくPinterestの使用方法を説明してくれている。
これでどういったサービスか分かった。
僕が動画を見た最初の感想は「これはあれだ、セレブ版Tumblrだ」だった。
一番そう感じたのはPinterestの「repin」についてだ。Tumblrには「リブログ」という、気に入ったポストをそのまま(もしくは説明を加えて)自分のタイムラインに再ポストする機能がある。これによってPinterestと同じように一つの投稿が色々な人のタイムラインに流れることになる。Twitterでいうとリツイートのようなものだ(Facebookだと「シェア」で、G+だと「共有」に相当するだろうか)。
Pinterestのなにがセレブかというと、こちらでも紹介されているように、投稿される記事のカテゴリがファッションやインテリアなどといった、生活を(物質的に)豊かにする情報に特化しているのである。tumblrはどちらかというとサブカルの記事が多い。*2
こんな具合にPinterestとtumblrは「機能(できること)」は似ているところがあるかもしれないが、「使い方(ユーザ体験)」はまったく違う。
先ほど主要SNSにおけるそれぞれの「再投稿によるシェア」機能について書いた。システム上の設計などについてはもちろん分からないが、やっていることは「再投稿によるシェア」だ。しかし切り口はそれぞれ違う。それが面白い。
結局のところ、ユーザがPCからアップできるコンテンツの種類はどうしたって現状のところ限られている。テキスト、画像(絵もそうだ)、動画、音声、あとは位置情報などのコンテキストなメタデータとか。新たなサービスはそれをどう斬新な切り口で利用し、ユーザに「使い方(体験)」を提案できるかでこれからもしのぎを削っていくのだろう。
余談だが、webサービスの「機能」と「使い方」について前にこんなつぶやきをしたことがある。
今時のwebサービスは第三者に「機能」の説明はできるが、「使い方(効果的な)」はユーザ次第というものも多い。本当は「このツールの“使い方”を教えてくれ」と声を大にして聞きたい時があるのだが、そう聞かれた方も「僕はこう使ってますが」としか言えないだろうね。
例えば「EverNoteというすごく便利なサービスがあって、基本無料で使えるし仕事にすごく役立つらしいので僕もちょっとやってみたいな」と思ったとする。で、アカウントを取って紹介サイトを少し見てなるほどテキストや写真やノートをクラウドに保存してPCやスマホでどこでも見ることができるのかということがなんとなく分かる。
そうなると次に、
なるほど「機能」は分かった。で、これをどう使えばいいの?他のサービスとどう使い分ければ効果的?
というところで悩んだうえで結局「Evernote 使い方 まとめ」とかで検索してライフハックのブログに誘導されるのだ(僕は)。