埋めがたい断絶
お盆休み中、久しぶりに子どもと長く過ごした。
普段はあまり家にいつかない父親なので何をしようと思っていたが、家内から
「夏休みの宿題をみてやって」
と言われたので、やってみることにした。
宿題の大物は二つ残っていた。
・読書感想文
・工作
結局2日に渡って両方見た(後述するが、僕がやったのではない)のだが、今日は工作をした日のことを書いてみる。
家内に、まず「これを作りたいと思うんだけど」とこのプリントを渡された。
…こんなもの、大人でもムリだ。
小学一年生に作れるわけがない。
そう家内に言ったところ、
「そんなんじゃ賞取れないじゃん!」
と返された。
ここでどうも家内と僕で工作の前提が違っていることが分かった。
家内は、「僕が作る」ということを疑っていないようで、それで賞を取ることをもくろんでいるらしかった。
僕は、別に賞は取れなくてもいいから自分で作らせる。その上でどうしても難しいところは手伝う、ぐらいのスタンスでいたので、プリントは丁重にお返しした。
そもそも子どもは途中まで作っていた工作があったのだ。これだ。
これで十分ではないか。ちょっとさびしいのでボディに色を塗ってタイヤを付ければ、立派な作品だ。ちょっと感心しつつ、これを使うことにした。
色を絵の具で塗ろうとして準備したのだが、パッケージにはコーティングがしてあり、水性絵の具は乗らなかった。
しかしうちには油性の色ペンはないので、シールになっている折り紙を貼ることにした。シールの型だけ僕が書いて、子どもに切って貼らせるのだ。
まず子どもに設計図を描かせた。コアファイターみたいになった。
さて、ボディにシールを貼り終わって、タイヤを付ける段になった。
僕が「タイヤはどう付けようかなあ」とつぶやいたところ、家内が
「タイヤは難しそうだったから、Amazonで買ってあるよ」
と言ってきた。
???
この日2度目の謎発言だ。
Amazonだと…?
で、「はい」と言って渡されたのがこれ(当然のごとく馬鹿でかい箱に入っていた)。
ミニ4駆のタイヤじゃねえか…
いやいやいやいや。
返答に困ったが、とりあえず
「足回りだけこんなに強化したらおかしいよ」
とこれも僕の方も相当おかしい返答をした。
気を取り直してタイヤの型を作り、また子どもに切らせた。
(コンパスの使い方を教えたら面白がって自分で描いていた)
タイヤはテープで裏から留めても良かったが、一応車軸が回るようにはしたかったので、ここだけは僕が考えた。
こんな風にした。
これを見ていた家内が、
「これじゃ走らないじゃん」
と口を出してきた。
この車はそもそもこのページを参考に作ろうとしていたらしい。確かにプルバックでチョロQみたいに走るようになっている。
だから、小学生一年生にはムリだってと返答したら、
「そんなんじゃ賞取れないじゃん!」
とまた言われた。
なぜそこまで賞にこだわるのか、よく分からない。
とりあえずもう少しなので勝手に進めることにした。
ナンバープレートを作ったら、子どもがうちの車のナンバーを書いていた。
子どもらしくていいね。
子どもは喜んでいたが、なんだろう、この微妙な達成感は。