朝生観てて

朝生が、日中関係に関する討論だった。パネラーの一人が中国側の論者だったのだが、その人は主張はともかく逆の意味で好感が持てた。99%相手に理があり*1、そしてそれを自分以外(ともすれば自分も)の全員が認めていても、1%に満たない自分の理を100倍に膨らませて話すようなガッツがあった。揶揄ではなく、これが国際社会で日本人に最も足りない点だ。
日本人同士でこれをやったら、間違いなく「意地汚い」と批判されるだろう。大抵の日本人はそれで自説を引っ込めるだろう。
日本人同士ならそれでいい。だが国際社会は、そういったスーパー牽強付会のオンパレードだ。日本人の、高潔にしていれば相手もそれを分かってくれるという国民性は、全く無力なのだ。
ルールを守る人と、ルールを意に介さない人が交われば、ルールを守る人が負けるに決まっている。公園で順番を守らない子供も、道義を無視して覇権を目指す大国も同じ普遍性を持つ。
日本のガラパゴス化で危ういのは技術のことばかりではない。ルールを共有している者同士ならルールに縛られるはずだ、という思い込みについても危惧する必要がある。そういうルール(倫理)で縛られない人たちがいる、という現実を理解できない(僕もそうだ)ことが一番危ういガラパゴス化なのだ。

*1:僕から見ての話