遠近感

写真を撮るようになってから認識したのだが、僕は写真でもグラフィックデザインでも、「遠近感」のある構図が好きなようである。
長い塀沿いを歩いていたりすると、つい写真に撮りたくなるのだ。

なぜだろうなあ、と考えてみた。
「好みの問題」と言ってしまえばそれまでなのだが、あえて理屈を付けるとすると、そこに「時間」を見いだすからではないかと思う。
奥行きのない平面の構図は「瞬間」だが、遠近感は平面の中に「距離」を作る。距離の中には時間(手前は「現在」、奥行きは「未来」)が生まれる。
そこに現在〜未来への物語を見いだしているのではないだろうか。

ということにしておこう。

そういえば前に世界ふしぎ発見のエジプトの回で、古代エジプトの絵画には顔が正面を向いている構図がないことと、遠近法が用いられていないことが取り上げられていた。どちらも宗教的、思想的な意味があるらしい。