逃げるのに着ていく服がない

・わが子がイジメられてるらしいと思った親が最初にしたこと

子どもを持つ身として、この記事は大変参考になった。
素晴らしいのは「逃げ方」を「現実的に」子どもに提示している点だ。

筆者は子どもに言う

「「避けたい人」とムリヤリ仲良くする必要もないし、反対に、嫌悪をあらわにしなくてもいい。「その人と仲良くすること」が精神的/肉体的に苦痛なのなら、あからさまじゃない程度に距離をおいてつきあえばよい、逃げればよい。」

筆者は「逃げ」という言葉を使っているが、僕が思うにこれは逃げではない(正面から立ち向かわない=逃げだとは僕は思わない)。
これは社会で生きるための「知恵」だ。

これを読んで思い出したことがある。
僕は今まで何度か仕事で精神を病みかけたことがあった(ちゃんと医者の診断を受けたわけではないので、あくまで自分の感覚でだが)。
その都度実感したのは「環境を変えられない人はこうやって追い込まれていくのだな」ということだ。
僕は上記で言うところの「知恵」がなかった。
なので、「逃げる」=全てを放り出す、という発想しかできず、自分にはそれはできないと思い込んでいた。
なので当時このようなツイートをしていた。

"いじめや鬱に対して「逃げろ」という意見を目にする。それにはまったく同感だが、考えないといけないのは、そんな時当人はそれこそ「逃げるための服がない」という精神状態にいる、ということだ。"

大人でも追い込まれたらもう現実的な「逃げ」の方法すら思い浮かばなくなる。
これが子どもならどうなるというのか。
「学問」ではなく「知恵」を子どもに授けるのは、親だからこそできるし、しないといけないことなのだ。