マンガから学んだことの覚書
昨夜、駅から家までの道すがら疲れた頭でボーと考えながら歩いていると、何の脈絡もなく
「君ねー、人に頭を下げられない人間は、一生半人前だよ」
というフレーズが頭に浮かんだ。
これは、「めぞん一刻」で三鷹さんが風邪で寝込んでいる五代君の世話をしている時に言ったせりふだ。
僕にはいくつかマンガのせりふで強く記憶に残っているものがあり、これはその中でも特に印象が強かったものだ。
何故このせりふに思い入れが強いか。このせりふが「なるほど、確かに」と強くうなずけるものであることももちろんだが、それ以上にキャラが発した言葉を越え、作者の信条が見え隠れしている(ように思える)からだ。
あくまで「のように思える」である。僕が勝手にそう思っているだけで、例えば高橋留美子先生がサイン色紙にそれを書いていたとか、そういった根拠はまったくない(以下も同様だ)。
他には、細馬真一の「魔界都市ハンター」で、”国の上層部の命令を受けている、おとなしく一緒に来い”という軍人に対して医師メフィストが、
「政治家は我々が選んだ。国の上層部など存在せんよ。存在しないものに従えるかね?」
と言ったせりふ。このマンガの原作は菊池秀行だが、筆者の国家観・政治家観が出ている。これを読んでいたのは中学生の時だが、魔界都市「新宿」でも普通選挙は行われているのだな。んでメフィストも区役所とか行って投票してるのか、とちょっとその姿を想像してしまった。正直に言ってしまうと「なるほど、民主主義ってそういう仕組みのことだったのか」と知ったのはこのせりふでだ。
「編集王(編集王はこの手のせりふの宝庫だ)」では、過去を告白しようとするに明治に疎井編集長が
「男の昔話ほどくだらんものはない」と言うシーンがあった(これはキャラの信条かもしれない)。
僕はいつもくだらない昔話をする側だが、一度は使ってみたいせりふである。
他には、「ワリカン」が「割り勘」のことだと知ったのは「キャッツ・アイ」の俊夫のせりふだ(もう最初の趣旨関係ないな)。
そういえば最近はマンガもあんまり読んでないな。
インプットが少ないと「いざ!」という時に的確なせりふも出てこない。これは怖いことである。
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