不条理数

僕は学生時代、数学が大の苦手であった。

あるテストで、車の時速やら走行距離やら経過時間やらの値を前提条件として与えられた上で『この車は現在どういう状態か答えなさい』という問題が出た。計算してみたところマイナスの値が出て、不思議に思ったのだが

“理由はわからないが、何らかの事情があり時速○kmで道路をバックで走行している。(*註:ほぼ原文ママ)”

と解答を書いた。その状態は現象としては不思議だが、「マイナスの値→バックで走行」という記述法は論理的には納得がいく(とりあえず言葉で状態を説明できたと思った)答えだったので、自分としては全力で書いたのである。だが、間違っていた(当然)。マイナスの値が出るような問題ではなかったのだ。

大学時代にレストランのバイトでレジ打ちをやった時も、割り勘のお客さんに

「815.5円ずつになります」(*註:ほぼ原文ママ

と言い放ったこともある(*註:数学関係ねえし)。

そんなありさまなので、経済学部に行っても経済が理解できるはずもなかった。
それでまあ何が言いたいかというと、コンピューターというものは誤動作「する」のではなく、誤動作「させられて」いるんだよなあ(*註:相田みつを風で)ということだ。先日もActionScriptでの開発に取り組んでいたのであるが、理解が足りないためtry&errorをずっと繰り返していた。僕の書くスクリプトはたいてい不条理な動きや答えを返してくるのであるが、PCは僕の命令通りに答えているだけ(もしくは「その命令意味不明なんすけど」という答え)で、そもそも不条理と言う言葉自体が多分に感情的でもあり、「マジメにやれ!」などとPCに言おうものなら「オメーだよ!」と言われることは必至なわけで、ああ俺PCに使われてんじゃん、としばし痛切に感じたりもするわけなのである。