無事是名馬

「ぶじこれめいば」と読む。
ケガをしない馬は、それだけで名馬であると言える、という意味だ。
僕はずっとこれを故事成語だと思っていたのだが、調べてみたところ違っていた。
競馬ファンだった小説家の菊池地寛が禅語の「無事是貴人」をもじって言った言葉だそうだ。
名言だなぁと思う。

インフルエンザが流行っているようで、周りで何人かがダウンしている。
僕は10月頃予防接種を受けたが、もう効果が切れているのでまた受けないといけないかもしれない。

子どもの頃はそうでもなかったが、いまはあまり病気をしなくなった。
別に謙遜ではなく、自分に唯一取り柄があるとすれば丈夫なところだと思っている。
社会人になってこのかた、欠勤したのは会社のソフトボール大会で骨折して入院したときくらいだ(←馬鹿にもほどがある)。

しかし、それはしょうがないことなのである。
センター前の小フライに猛ダッシュして、スライディングキャッチしたのだ。
つまり、僕の突進と地球の自転がぶつかりあったわけで、なみの人間ならもっと大変な惨事になっていたはずだ。
(…同僚、取引先の人ならびに、大会主催者の皆さまには誠に多大なるご迷惑をおかけしました。この場を借りて再度お詫びいたします。おかげさまでこのようなヨタ話を飛ばせるほど元気になりました)

入院した時、“会社のソフトボール大会で骨折した”というのが誤って伝わったらしく、「選手生命には影響ないですか」と看護士さんに心配されたのもいい思い出である。
ちなみに、骨折までしておいて何だが、ワンバウンドしてから捕球したので結局ヒットだった(骨折り損、とはよく言ったものだ)。

喉元過ぎれば何とやらではないが、僕のように健康を過信している人間が一番タチが悪いのかもしれない。