遺伝と気質


※子どもが描いたこいのぼり。ミロのような色使いだと思うのは私だけだろうか。

先週、初の家庭訪問があった。どうだったのか気になってはいたのだがその日も遅く帰ったので家内に翌日様子を聞いてみたところ、

「基本、受け身です」

と先生に言われたと言っていた(実際は他にもいろいろ聞いたが、これが一番ショックだった)。
まだクラスを受け持って1ヶ月でうちの子の何が分かるというのだ!人という字は互いに支えあってヒトとなるのです加藤は腐ったミカンじゃないんです!……と声を大にして言いたいところであるが、「やっぱりそうか」というのが正直な感想だった。これでも親だから子どもの気質は先生よりもよく知っている。そして子どものそういうところは僕とよく似ていると思う。

実際、僕と子どもは外見も気質もよく似ている。
外見に関しては…まあ謝るしかない(実際よく謝っている)。僕は母親似だが、子どもは母の小さい頃にもよく似ているそうだ。子どもの手足が長いのも目が一重なのも、似ている理由は「遺伝」だ。
しかし気質に関しては環境と日々の習慣で後から作られたものだ。産まれた瞬間には性格なんてものは無い(と僕は思っている)。そしてその責任の大半は僕ら親にある。そこは混同してはならないと思っている。
誕生から今まで子どもが大きくなる過程を見てきていろいろ気づかされることは多かったが、中でも一番大きかったのは「きっと自分もこの子のように育てられたんだろうな」と思ったことだった。そうでないと「気質が似ている」ということは説明ができないからだ(推測だからなんとでも言えるのだ)。*1

僕は普段子どもと接する時間が少なく「育児」をしているとはとても言えない父親なのだが、たまに接する際にはとにかく子どもを笑わせることばかり考えている。
なのでいつもふざけちらかしてばかりいる。

YouTube観てる子どもに「お風呂に入りなさい」と言ったら「はいはい」と適当な返事をしたので「“はい”は100回でいい!」と言ってやったらむきになって「はいはいはい…(以下略)」と100回言い返してきたので、終わった後に「な。“はい”は1回でいいだろう」と言ったら「はい」と言っていた。Fri Jan 27 11:16:50 via Tweet ATOK

最近子どもが足し算を勉強し始めてて、試しに両手の人差し指で「1足す1」の問題を出したら「2」と答えた。次に両手で「1足す(影絵の)キツネ」を問うたら「わかんないよ」と笑っていた。プログラムには詳しくないが、型エラーってこういうことではないかと思った。Tue Aug 10 15:43:53 via Echofon

僕の持論だが、子どもを笑わせるには「予定調和を崩す」のが一番だ*2。「笑いとは生の転倒である」という言葉を何かで読んだが、そんな感じである。
たとえば子どもが幼稚園で手遊び歌を教わってくると、替え歌を作る(歌は予定調和の最たるものだ)。

♪八兵衛さんと、九兵衛さんが、けんかした♪

という歌は

♪八兵衛さんと、九兵衛さんと、

から

十兵衛さんと、十一兵衛さんと、十二兵衛さんと、十三兵衛さんと、(中略)〜五十兵衛さんが、けんかした♪

まで引っ張る(これでもそこそこ笑う)。
上記で引用した「1足すキツネ」も同じである。子どもの「次はこうなるよね」という予測を裏切るのだ。

そんなことばかりしていたのだが、これも子どもの「気質」に影響を与えていたのかもしれない。先日こんなやり取りがあった。

普段子どもにパパと呼ばれているが、そろそろ「お父さん」と呼ばせたいと思ってちょっと練習をしてみた。子どもに背を向けて、「お父さんと呼んだら振り向くから、呼んでみて」と言ったところ、最初はちゃんと「お父さん」と言っていたが、そのうち、「おとう……ふ!」「おとう………と!」などのトラップを仕掛けてくるようになった。

感心しつつ、こういうところはやっぱり僕の子どもだなあとしみじみ思った。

*1:自分が受け身な性格なのを親のせいだと言いたいわけではない。

*2:うちの子の場合